株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と英Vodafone Group Plc(以下、ボーダフォン)は、オープンな無線アクセスネットワーク(Open RAN)を推進するための協業に向け協力することに合意しました。この協力を通じて、両社は世界中の通信事業者や通信機器ベンダーに対してOpen RANの知見を提供し、柔軟かつ拡張性の高い通信ネットワークの実現に貢献してまいります。
本日締結した基本合意書に基づき、両社はOpen RANの技術検証における共通のテストスクリプト※1の構築をめざします。両社がそれぞれの専門知識や技術を持ち寄り、接続仕様、試験基準、試験プロセスなどを統一することで、Open RANの採用を検討する通信事業者や通信機器ベンターが技術検証を行う際の時間やコストの削減に寄与します。
両社はOpen RANの運用効率化においても連携します。通信ネットワークの監視や保守を行うシステムを構成するSMO・RIC※2の効果の最大化を目的に、関連するシステム構成を両社で定義することをめざします。また、人工知能や機械学習、自動化など各種技術を効率化して通信事業者の総所有コスト(TCO)の低減に取り組むことや、報告書(ホワイトペーパー)の共同発行も視野に入れています。
さらに、現在ドコモは横須賀市にOpen RAN検証環境である「シェアドオープンラボ」を、ボーダフォンは英国ニューベリーに「Open RAN研究開発センター」を設置していますが、それぞれの機能を補完するために、両社は互いの検証施設を遠隔接続する検討にも合意しています。ボーダフォンの試算によると、検証施設を相互に遠隔接続することで、すべての機能を備えた施設を各社が独自に設置する方法に比べて、業界全体で最大40%の検証コストが削減できるとされています。
Open RANの推進で両社が協力することで、各国の異なる通信機器ベンダー間の相互運用性が向上し、世界中の4Gや5Gの通信サービスの利便性拡大が期待されます。特に、小規模なベンダーや新興企業においては検証コストの削減が見込まれ、セキュリティ要件に準拠した高品質の通信機器をさまざまな国と地域に提供できるようになるため、グローバルサプライチェーンの多様化にもつながります。
この度の協力に当たり、NTTドコモ 常務執行役員(CTO)R&Dイノベーション本部長 谷 直樹は、次のように述べています。
「Open RANシステムインテグレーションにおいてボーダフォンが有する研究開発力とリーダーシップが、ドコモのマルチベンダー5G Open RANの商用化の経験と融合し、さらに発展することを期待しています。ボーダフォンとの協力を通じて、オープンで柔軟なネットワーク構築環境を求める国と地域で、商用化を加速させ、5Gとその先を見据えたRANエコシステムの推進に貢献してまいります。」
また、ボーダフォン 最高技術責任者(CTO)Johan Wiberghは、次のように述べています。
「ボーダフォンとドコモの研究開発力が結集することは、Open RANの構築を求める欧州やアジアの多くの企業にとって参入障壁が下がることを意味します。Open RANは、業界を分断するのではなく、大陸を越えて通信事業者やベンダー、サプライヤーを結びつけます。ドコモとの協力は、ネットワーク機器やシステム接続の多様化を促し、システム統合をより確実なものにします。」
ドコモとボーダフォンはOpen RANの早期普及に取り組むとともに、活発なエコシステムの創出と多様なニーズに対応するために、今後も他の協力可能な分野についても検討を進めてまいります。
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