株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、富士通株式会社(以下、富士通)、日本電気株式会社(以下、NEC)、Nokia Solutions and Networks Oy(以下、Nokia)と協力して5G通信規格の国際標準化団体O-RAN Alliance※1の仕様を用いた異なるベンダー間の4G・5G基地局装置における相互接続(以下、マルチベンダー接続)に世界で初めて成功し、2019年9月20日(金曜)から始まる5Gプレサービスにおいて運用開始します。
異なるベンダーの基地局を選択できることで、例えば広いエリアをカバーできる基地局や、省スペースでありながら都心の通信が集中するような場所をカバーできる小型基地局など、エリア設計の用途に応じ最適な基地局装置を組み合わせて設置することが可能となり、5Gエリアを迅速かつ柔軟に展開していくことができます。
これまでは基地局装置同士を接続するための仕様(信号の送受信ルール)が十分に国際標準化されておらずベンダーごとに異なり、異なるベンダーの基地局装置を用いると通信がつながりにくくなるなどの問題が生じるため、通常は同じベンダーの基地局装置同士が接続されていました。
5G導入初期では、既存の4Gネットワークを活用しながら5Gエリアを広げていくため、選択できる5G基地局装置のベンダーが4G基地局装置のベンダーに制限されます。
この課題解決のため、ドコモが参画しているO-RAN Allianceで基地局装置間の接続仕様の国際標準化を進めた結果、4G・5G基地局におけるマルチベンダー接続が可能になりました。
【4G・5Gマルチベンダー接続の概略図】
ドコモはO-RAN Allianceにて議長をつとめるなど、国際標準仕様の策定に向けて積極的に活動してきました。このたび複数ベンダーの基地局装置を組み合わせた相互接続性テスト※2に成功し、ドコモの5Gプレサービスにてマルチベンダー構成の基地局の運用を開始します。
ドコモは今後も5Gエリアの拡大と安定した通信の提供をめざし、基地局装置の改善や通信方式の検討を進めてまいります。
今回5Gプレサービスで導入した4G・5G基地局装置のシステム構成では、ベースバンド処理部(電波で搬送する前の形のデータ信号を扱う機能部)を集約する親局から無線部(実際に電波で搬送する信号を扱う機能部)を有する複数の子局を張り出して設置し、光ファイバーで接続する5Gリモート設置型基地局を採用し、親局・子局間の接続にO-RANフロントホール仕様※1を、4G基地局・5G基地局親局間の接続にO-RAN X2仕様※2を、それぞれ採用しています。
O-RANフロントホール仕様は、5Gのリモート設置型基地局においてあらゆるベンダーの親局と無線子局を相互接続するために規定されたインタフェース仕様です。ベースバンド処理部を集約することで、複数の無線部の連携による通信速度やつながりやすさの向上、装置が集約されることにより可能となる予備リソースの確保や設置スペース減少によるコストの削減などのメリットがあります。また、無線部の機能を親局から切り離すことで子局を小型化でき、ビルや山間部など場所を選ばずエリア化することが可能となります。
また、O-RAN X2プロファイル仕様は、5G ノンスタンドアローン(NSA)においてあらゆるベンダーの4G基地局と5G基地局の相互接続を実現することを目的とするもので、3GPP※3で規定されるインタフェース仕様に基づき、詳細な使い方(プロファイル)を規定したものです。4G基地局と5G基地局を相互接続し端末へ通信サービスを提供することによって、既に展開されている4Gのエリアの広さやつながりやすさを引き継ぎつつ、5Gによる高速・低遅延なデータ通信を提供することが可能となります。
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