活用事例

ホームセンター「タイム」から見た
小売店×ドコモの
販促ソリューションの可能性

株式会社タイム様
  • 活用プロダクト:スーパー販促プログラム
  • 取材日:2024/2/16
株式会社タイムの佐藤さん(右)と株式会社NTTドコモ中国支社の永井さん(左)。

「自社でできる販促キャンペーンの幅が広がった」と話すのは、中国・四国地方を中心に、ホームセンタータイムなどのホームセンターを20店舗展開する、株式会社タイム営業企画部の佐藤喜一さん。

現在はスーパー販促プログラムやdポイント・d払いといったNTTドコモ(以下、ドコモ)が提供するサービスを活用して、自社キャンペーンの配信規模を4倍以上に拡大。さらに、複数メーカーと連携した独自の販促キャンペーンを実現し、新規顧客の獲得・継続利用に成功しました。

ドコモ中国支社スマートライフ部の永井菜摘さんが、導入の経緯から具体的な施策とその効果、今後の展望を佐藤さんに伺いました。

株式会社タイム 佐藤 喜一氏

佐藤 喜一

株式会社タイム 営業企画部部長
兼 店舗企画課マネージャー

新規顧客獲得に向けた
新たな販促チャネルを模索

株式会社タイムの佐藤さん(右)と株式会社NTTドコモ中国支社の永井さん(左)。
右:株式会社タイム 佐藤喜一氏、左:株式会社NTTドコモ中国支社 スマートライフ部カスタマーサクセス第二アライアンス担当 永井菜摘

永井 タイムさんにはドコモのマーケティングソリューションを導入していただいておりますが、どういった経緯でご利用いただくことになったのか改めてお聞かせください。

佐藤 経理がコード決済の導入を進めていたんですけど、その仕組みを使って新規のお客様の取り込みができないかとふと思ったんです。そこで私のほうから一緒に何かができませんかと御社にざっくりとしたご相談をさせていただいたのがきっかけですね。

永井 以前はどのように情報発信をされていたのですか?

佐藤 メインの販促チャネルは新聞の折り込みチラシです。ただ、新聞折り込みの数が減ってきているのと、購買層が固まっているので新規層を取るのが難しいというのが、課題でした。

また、折り込みチラシは費用対効果を見るのが難しい媒体でもあって……。コロナ禍になってからチラシを減らしたりハウスカードのポイント施策を実施する頻度を落としたりして検証してみたところ、思っていたよりも来店者数が変わらなかったんです。なので、毎週切れ目なく入れていたチラシを2週間に1回に減らすなどして調整し、コストを削減しました。

そして、コロナがある程度落ち着いてくると、新規顧客獲得という課題が残りました。新たなアプローチの方法がないかと探していくなかで、やはりコード決済が非常に有力だと思ったんです。いまや国民の大半がスマートフォンを持っていますからね。

永井 コード決済や販促サービスを展開している会社がたくさんあるなかで、ドコモを選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか。

佐藤 弊社にできる範囲で何か効果的なキャンペーンができないかと相談したところ、受け止めってくださったのが御社でした。

キャンペーンで付与するポイントをハウスカードのポイントからdポイントに差し替える相談やd払いを活用したキャンペーンの提案など、前向きに検討してくださって、すごく助かりました。

また、弊社に合わせてシステムなどの細かい部分の調整をしてくださるので、その裏ではすごく苦労されているだろうなと思いながら、とてもありがたく思っています。いつも目線を合わせて対応してくださることが、決め手になりましたね。

真剣な表情で話す佐藤さん。

スーパー販促プログラムで
キャンペーン配信規模が4倍超に。
売り場の負担も激減

永井 新規顧客の獲得以外にも課題はありましたか?

佐藤 はい、継続利用も課題でした。岡山市ではコード決済を使った大規模なポイント還元キャンペーンなどが何度か実施されていて、我々のような小売りはそのキャンペーンの対象になるだけでお客様が一気に増えるのですが、そこから継続いただくのが難しくて……。

その点についても御社にご相談しました。打ち上げ花火のような1度やって終わりというキャンペーンではなく、継続的なものとなることを前提に何かできないかと。

そのなかで、メッセージやキャンペーン情報を毎月発信できて、継続的に来店されているお客様や逆にちょっと間が空いたお客様など、発信の対象についてもフィルターがかけられる、「スーパー販促プログラム(CRM)」のご提案をいただきました。

永井 スーパー販促プログラムを導入したことで、どういった効果がありましたか?

佐藤 配信数で見ると、導入当初は毎月3,000人規模だったのがこの2年で13,000人程度に増えています。それだけ多くの方がdポイント・d払いを利用されているということなので、「dポイント・d払いが使える」ということが、弊社だけでなくお客様にとってもメリットになっていることを感じますね。

また、dポイント・d払いアプリで弊社のキャンペーン情報などを発信できることは、露出面で非常に大きい影響力があると考えています。弊社のハウスカードを使ったキャンペーンだと告知できる範囲にも限りがありますが、御社のメディアであれば大手企業の横に我々の広告が出たりすることもあって、非常にありがたいです。

あと、これはうかつな話なのですが、私のミスでクーポンの発行がないときがあって、そのときに売り場でお客様から直接「今月はクーポンはないんですか?」と聞かれたんです。自分のミスをおわびしつつも、クーポンが浸透してきていることを肌で感じられて、少しうれしくなりました。

クーポンを期待して繰り返し来店してくださっているお客様の存在をあらためて認識できる機会となりました。

キャンペーン施策の概要を表した図

永井 新規層へのリーチと継続利用、どちらにも効果が出ているようですね。ほかにもいい影響はありましたか?

佐藤 社内への影響になりますが、花王さんとのキャンペーンをもう15年以上継続して行っていて、売上の規模もかなりのものなのですが、サービスカウンターのスタッフがお客様のレシートを手入力で確認しながらポイントを付与するという、すごくアナログなやり方をしていたため、現場の負担が非常に大きかったんです。

そのことを御社に相談したら、アナログ作業をデジタルで完結されられる仕組みを構築していただけて。現場負担が軽減し、スタッフも喜んでいます。

永井 御社のご負担を減らすことに協力でき、こちらとしてもうれしいです。

佐藤さんの言葉に笑顔になる永井さん。

複数のキャンペーンを切れ目なく回し、
継続利用を促進。客単価も向上

永井 現在はどの程度の頻度でキャンペーンを打たれているのでしょうか。

佐藤 規模感の異なるキャンペーンを年間通して実施しています。大きなものは年に3回ほど、各メーカーと連携した中規模のキャンペーンを不定期で、さらに毎月小規模のキャンペーンも展開していますね。

さまざまなキャンペーンを取り入れて切れ目のないサイクルを作ることで、お客様が「キャンペーンで買わされている」と感じるのではなく、自然に足を運んでくださるような状況を作っていけたらと考えています。

永井 コード決済を導入したキャンペーンを実施するようになって、お客様単価などにも変化はありましたか?

佐藤 はい。世間一般的にも言えることだと思うのですが、決済方法を見るとこの2、3年でコード決済の比率がどんどん高くなっています。単純に比率が伸びているだけでなく、非常に単価が高いところがポイントです。

一定金額以上の購入を条件に設定していることが、結果として顕著に出ているんだと思います。ハウスカードの施策でも金額設定をすることは可能ですが、費用対効果の面で見ると、現状ではdポイント・d払いを使ったキャンペーンが最適ではないでしょうか。

さらにドコモさんは、キャンペーンの値段設定などについても一方的ではなく、しっかりと相談したうえで決めていただけるんです。どんな金額設定が有効かなどのアドバイスもいただけるので、おかげでより効果的なキャンペーンにできているんだと思います。

d払いのポップを紹介する佐藤さん。
レジの目立つ場所にd払いのポップを掲示

社内にもいい影響が生まれ、
独自キャンペーンを積極的に実施。
経営陣からの期待も上々

永井 ドコモのプロダクトを導入したことによる社内への影響はいかがでしょうか。

佐藤 ハウスカードのポイントからdポイント還元に切り替えた花王さんとのオリジナルキャンペーンの成功を皮切りに、私のいる営業企画部だけでなく、商品部やシステム部も何かできないかと動き出し、社内の連携が強化されていったように感じます。

弊社のバイヤーが各メーカーやベンダーと個別に交渉し、花王さん以外ともキャンペーンの実施が続々と決まっていきました。ハウスカードのポイントでキャンペーンの交渉をするよりも、メジャー感の出るdポイントのほうが話が進みやすいというメリットもあったようです。現在は年間13回ほどメーカーとの独自キャンペーンを実施できていますね。

  • キャンペーン
    内容

    期間中ホームセンタータイムにて、対象の花王商品を1回に1,000円(税込)以上お買い上げの際に、d払い(コード決済)でお支払いいただくと、もれなくd払いでの対象花王商品のお買い上げ金額(税込)の20%相当分のdポイント(期間・用途限定)をキャンペーンポイントとして後日進呈いたします。

    (*)進呈上限3,000ポイント/回および期間
    (*)カネボウ商品を除く
    (*)ポイントをご利用の場合、利用前の対象商品金額(税込)がキャンペーンポイントの進呈の対象となります

  • キャンペーン
    対象期間
    2023年5月24日(水)から2023年6月30日(金)
    (*)対象店舗の営業時間内
  • 対象加盟店
    ホームセンタータイム 全店
  • 対象者・条件

    期間中に対象加盟店で、d払い(バーコード)にてお支払いされたお買い物

    ■d払い(決済ご利用金額)のお支払い方法について
    キャンペーン対象:クレジットカード払い、電話料
    金合算払い、d払い残高からのお支払
    キャンペーン対象外:d払い(iD)、dカードプリペイド

    (*)d払いによる決済タイミング時点で、キャンペーン対象となる
    お支払い方法に設定されている必要があります。

キャンペーン画像
タイム全店で実施した花王製品のdポイント還元キャンペーンの概要。

タイム全店で実施した花王製品のdポイント還元キャンペーンの概要

永井 すごいですね。上層部の方の反応や評価はいかがでしょうか。

佐藤 いきなり新しいことを提案すると受け入れられにくいものですが、すでに動いているものを広げていくという話だったので、比較的スムーズにここまで来られました。

岡山市など自治体主導のキャンペーンは売上への影響も大きいのですが、御社と連携してからはその伸びがより大きくなっているんです。それがデータとして可視化されたことで、経営陣にも伝わり、期待が膨らんできています。つい最近も「ドコモさんともっといろいろなことができたらいいな」という話がありました。

手ぶりを交えて話す佐藤さん(右)と佐藤さんの話を聞く永井さん(左)。

ドコモと「伴走」し、
データをもとにした効果的な販促と
売上増加をねらう

永井 ドコモが提供するサービスでは、お客様のさまざまなデータをまとめたダッシュボードも利用可能ですが、どのように活用されていますか?

佐藤 今はダッシュボードで確認できる情報に加え、半年に1度ほどのペースで平均来店回数やキャンペーン単価などの分析データを社内に報告しています。ID-POS(購買情報)連携でd払いによる各種キャンペーンの購買履歴や顧客情報が把握できるようになったので、そこは非常に便利ですね。

ただ正直なところ、現状はまだダッシュボードの数字を生かして何かアクションを起こすという段階にまでは、踏み込めていません。分析を分析のままで終わらせてはいけないと思っているので、休眠顧客をどうやって掘り起こしていくかなど考えていくのが今後の課題です。

永井 今後、ドコモに期待するのはどのようなことでしょうか。

佐藤 やはり、データの分析を売上や来店に結び付けることですね。現状、膨大なデータを提供していただきながらも、十分に生かしきれていない節があるので、それをいかに効果的に販促へとつなげていけるか。そのあたりについて、具体策や方法論、費用感などを相談しながらドコモさんと一緒に考えていければと思っています。

ドコモとの連携による効果
  • ハウスポイントからdポイント付与にすることで、
    アナログ作業がなくなり現場の負担が軽減
  • dポイントによってメジャー感が出ることで、
    メーカーとの独自のキャンペーンを実施する際など交渉がしやすくなった
  • キャンペーンは一定の金額以上の購入を条件にすることで、
    d払いユーザーの客単価が大きく向上
  • 購買履歴や顧客情報などのデータを蓄積できるID-POS
    レジ連携のしくみによって、dポイントキャンペーンのデータが分析可能に

(公開:2024年5月)

この事例で活用したソリューション

  • スーパー販促プログラム

    店舗でdポイントやd払いを利用した顧客のデータを蓄積し、顧客に再来店・再購買を促せる直接的なアプローチが可能なCRMサービスです。ドコモの保有している精度の高い属性情報や位置情報、購買情報によるターゲティングやセグメント配信に対応しています。

    キャンペーン・メッセージの配信条件設定から配信メッセージの作成・入稿、配信結果の分析までを、加盟店だけで簡単に行えます。

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