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高齢者に多い家庭内事故とは?具体的な防止策や見守りの重要性

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高齢者に多い家庭内事故とは?具体的な防止策や見守りの重要性

高齢者の家庭内事故は、転倒・窒息・入浴中の事故・着衣着火など命にかかわるケースが多く、注意が必要です。特に離れて暮らす親がいる家庭では、日常生活のどこにリスクが潜んでいるのかを知り、適切な対策を講じることが大切です。

本記事では、高齢者に多い家庭内事故の実態や具体的な防止策を解説します。さらに、事故の早期発見に役立つドコモの見守りサービス「ちかく」についても紹介します。

目次
高齢者の家庭内事故の実態

高齢者にとって家庭内での転倒や窒息、溺水といった事故は、命にかかわる深刻なものです。

家庭内事故は居室や階段、台所など、普段何気なく使用している場所でよく発生します。日常的に使う場所ほど油断しやすく、危険が潜んでいることを意識しなければなりません。

また、離れて暮らす親の安全を守るためには、どこにリスクが潜んでいるのかを知ることが重要です。

家庭内事故は高齢者に多い

厚生労働省の統計によると、令和5年に不慮の事故で亡くなった人は4万4,440人でした。そのうち、65歳以上の高齢者は3万9,016人で、全体の87.8%と大半を占めています。また、溺水・溺死・窒息などの原因が多いことからも、家庭内での安全対策の重要性がうかがえます。

出典:消費者庁「コラムVol.12 高齢者の事故 ―冬の入浴中の溺水や食物での窒息に注意―」
出典:厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況」

家庭内の不慮の事故で高齢者におよぶリスク

高齢者の不慮の事故は、命を危険にさらすだけでなく、要介護状態になるリスクや生活の質の低下を引き起こす要因にもなります。

厚生労働省の「人口動態調査」をもとに消費者庁がまとめたデータによると、令和3年に65歳以上の高齢者が不慮の事故で亡くなった人数は、転倒・転落・墜落が9,509人、不慮の窒息が7,246人、溺水が6,458人、煙・火災等が727人でした。

これらのデータを踏まえると、高齢者の家庭内事故は命にかかわる深刻なリスクであり、適切な予防策が不可欠であることがわかります。

出典:消費者庁「無理せず対策 高齢者の不慮の事故」

家庭内事故の発生場所

高齢者が家庭内で事故を起こしやすい場所は、医療機関からの事故情報によると、居室が最も多く、全体の45.0%を占めています。次いで、階段が18.7%、台所・食堂が17.0%と続いており、これらは特に事故のリスクが高い場所です。

そのほかにも、玄関(5.2%)、洗面所(2.9%)、風呂場(2.5%)、廊下(2.2%)、トイレ(1.5%)といった場所でも事故が発生しています。

このように、日常的に過ごす・使用する時間が長い場所ほど、事故のリスクが高くなる傾向にあります。

出典:内閣府「平成30年版高齢社会白書(全体版) 第1章 高齢化の状況(第2節 4)」

特に気をつけたい高齢者の家庭内事故

家庭内事故のなかでも特に気をつけたいのは、転倒・窒息・入浴中の事故・着衣着火などです。

転倒は骨折や寝たきりの原因となり、生活の質を大きく低下させるリスクがあります。また、窒息は餅などの食べものが喉に詰まることで生じる、命にかかわる危険性が高い事故の一つです。

入浴中の事故は冬場に多く、急な温度差による血圧の急変が影響し、意識を失うケースもあります。着衣着火は、ろうそくやガスコンロなどの火が衣服に燃え移ることで発生し、大やけどにつながりかねません。

転倒・転落事故、窒息事故、入浴中の事故、着衣着火事故それぞれについて解説します。

転倒・転落事故

転倒・転落は、高齢者にとって骨折や頭部外傷といった大きなけがにつながりやすく、要介護状態になる原因の一つでもあります。特にスリップやつまずきによる転倒が多く、死亡に至るケースも少なくありません。

転倒の主な原因には、加齢による筋力やバランス能力の低下、病気や薬の影響、運動不足などが挙げられます。年齢とともに反射動作が鈍くなり、とっさの対応ができずに転倒を招くこともあります。また、薬の副作用による立ちくらみやふらつきが、転倒リスクをさらに高める要因となる場合もあるでしょう。

転倒によってけがをすると、回復に時間がかかるだけでなく、不安や恐怖によって活動量の減少を招くこともあります。活動量が減ると筋力も低下し、転倒リスクが増すという悪循環に陥りやすいため、適度な運動習慣を取り入れることが重要です。

出典:消費者庁「無理せず対策 高齢者の不慮の事故」

窒息事故

噛む力や飲み込む力が低下すると食べものが喉に詰まりやすくなり、窒息事故のリスクが高まります。

令和3年の調査では、65歳以上で食べものによる窒息が原因で亡くなった人は、交通事故による死亡者の約1.8倍にものぼりました。特に餅は窒息事故の原因になりやすく、正月三が日に集中して発生しています。また、男性の死亡率は女性の2.6倍と高く、注意が必要です。

窒息事故の要因として、加齢により奥歯がなくなることや入れ歯の使用、唾液の分泌量の減少、咳反射の低下などが挙げられます。これらの変化により、喉に詰まったものを押し戻す力も弱くなり、窒息リスクがさらに高まります。

出典:消費者庁「無理せず対策 高齢者の不慮の事故」
出典:政府広報オンライン「餅による窒息に要注意!喉に詰まったときの応急手当は?」

入浴中の事故

高齢者の入浴中の事故は、特に冬場(11月から4月にかけて)に発生する傾向があります。入浴中に意識を失い、浴槽内で溺れるケースも報告されており、安全対策が求められます。

主な原因の一つは、急な温度差による血圧の変動です。暖かい部屋から寒い浴室・脱衣所に移動すると血圧が急上昇し、浴槽に入ると急低下するため、めまいや意識障がいを引き起こしやすくなります。また、食後・飲酒後・薬の服用後の入浴も事故のリスクを高めるため、注意が必要です。

血圧が不安定な人や、めまい・立ちくらみの経験がある人は、特に慎重に行動しましょう。

出典:政府広報オンライン「交通事故死の約2倍?!冬の入浴中の事故に要注意!」

着衣着火事故

着衣着火事故とは、コンロやストーブなどの火が衣類に燃え移る事故です。毎年約100人がこの事故で亡くなっており、その8割以上が65歳以上です。

火の扱いが増える冬場は特にリスクが高まります。主な出火原因は、コンロや仏壇のろうそくです。

料理中に袖が火に触れる、コンロの奥の鍋を取る際に衣服が引火するなどの事故が発生しています。背を向けたままテレビを見ている間に火が移るケースもあり、料理中はコンロから目を離さないようにしましょう。

仏壇のろうそくが原因となる事故では、供えものを替えたり掃除をしたりする際に袖口が火に触れたことで着火した事例が報告されています。

出典:消費者庁「高齢者の事故を防ぐために」
出典:消費者庁「着衣着火に御用心!毎年約 100 人の方が亡くなっています!

高齢者の家庭内事故の具体的な対策

高齢者の家庭内事故を防ぐには、住環境の整備や適切な行動が重要です。

転倒を防ぐためには、段差の解消や手すりの設置が効果的です。また、窒息事故を防ぐには、食べものの大きさや食べ方に注意しましょう。入浴中の事故防止には、寒暖差を減らし、湯温や入浴時間を適切に管理することが大切です。着衣着火は、火の扱いと服装に注意することで防止できます。

さらに、事故にすぐ気づける見守りの仕組みを整えることも、安全な暮らしにつながります。

ここでは、高齢者の家庭内事故を防ぐポイントを見ていきましょう。

転倒・転落事故を防ぐポイント

転倒・転落事故を防ぐには、生活環境を整え、段差や滑りやすい場所を減らすことが重要です。具体的には、以下のような方法が挙げられます。

  • 居間
    コード類を避けた配置にし、カーペットのめくれを防ぐ滑り止めを活用しましょう。床にものを置かず、つまずきやすい段差にはスロープや手すりを設置するとあんしんです。
  • 玄関
    手すりや滑り止めマットを設置し、靴の着脱用に椅子を置くとよいでしょう。
  • 廊下や階段
    手すりを設置し、滑りやすい靴下やスリッパを避けることが大切です。また、足もとを明るくすることで、転倒リスクを減らせます。
  • 寝室
    低床ベッドを使用することに加え、ベッドガードの活用により転落を防げます。
  • 浴室・脱衣所
    浴室では手すりの設置や滑り止めマットの活用が効果的です。脱衣所の段差にはスロープやすのこを使いましょう。

窒息事故を防ぐポイント

窒息事故を防ぐには、食事を食べやすい大きさに調整し、ゆっくりよく噛んで食べることが大切です。

特に、先述のとおり餅は高齢者が喉に詰まらせやすい食品であるため、注意が必要です。餅はあらかじめ小さく切り、食べやすいサイズにしましょう。

一口のサイズは無理なく食べられる量に調整し、少量ずつ口に入れ、よく噛んでから飲み込むことが重要です。

また、食事前に、お茶や汁ものを飲んで喉を潤しておくと飲み込みやすくなります。ただし、食べものを噛まずにお茶で流し込むのは危険なので避けましょう。

口のなかの食べものをしっかり飲み込んでから、次の一口を食べるように意識することも大切です。

入浴中の事故を防ぐポイント

入浴中の事故を防ぐには、温度管理と入浴時の注意が重要です。

特に冬場は、寒暖差による血圧の急変がリスクとなります。入浴前に脱衣所や浴室を暖め、急激な温度変化を避けましょう。浴槽のふたを開けて蒸気を立てるのも有効です。

湯温は41℃以下、入浴時間は10分以内を目安にし、長湯を避けるのがポイントです。浴槽からは急に立ち上がらず、ゆっくり動くことで、血圧の急変による意識障がいを防げます。

食後や飲酒後、薬の服用後の入浴は、血圧の低下を招き、めまいや失神のリスクを高めるため控えましょう。

着衣着火事故を防ぐポイント

着衣着火を防ぐには、火の近くでの行動や服装に注意することが大切です。

料理中は火に近づきすぎず、コンロの奥にあるものを取る際は特に注意しましょう。調理中は火力を適切に調整し、鍋底から炎がはみ出さないようにするのがポイントです。別の作業をしながら火を使うのは避け、火のそばを離れるときは必ず消火してください。

仏壇の掃除や供えものの入れ替えなども、ろうそくの火を消してから行います。

袖口やすそが広がった衣服、ストールやマフラーなどは火に触れやすいため、火を扱う際は着用を避けましょう。

毛羽立った生地の衣服は、「表面フラッシュ(一瞬で火が走る現象)」を起こすため注意が必要です。防炎製品のエプロンやアームカバーを活用すると、事故のリスクを減らせます。

万が一着衣着火が起きたら、脱ぐ・叩く・水をかけるなどしてすぐに消火し、やけどを負った場合はすぐに水で冷やして医療機関を受診しましょう。

見守りサービスの活用ですぐに事故を発見するのも大切

家庭内事故の対策を講じても事故を完全・確実に防ぐのは難しいため、万が一に備えることが重要です。特に、一人暮らしの高齢者は事故のリスクが高く、すぐに異変に気づける環境の整備が求められます。

見守りは、高齢者があんしんして在宅生活を続けるための大切な仕組みです。周りが異変に早く気づくことで、重大な事故や健康状態の悪化を防げます。

見守りの方法には、定期的な訪問による対面確認や、自治体や福祉団体が提供する支援サービスがあります。デジタルツールを活用した遠隔見守りも普及しており、家族がすぐに異変に気づける仕組みが整ってきています。

複数の見守りの手段を組み合わせることで、異変を早期に発見し、迅速な対応が可能になるでしょう。

出典:独立行政法人都市再生機構「高齢の親の一人暮らしのリスクと対策を解説」
出典:総務省「一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査」

「ちかく」を利用して離れた親の生活を見守ろう

ドコモの見守りサービス「ちかく」は、親の生活を身近に感じられる、会話と見守りのサービスです。離れて暮らす親の生活状況を把握することで、家庭内の事故リスクを早期に発見できます。

親側のテレビにつなぐ家型の端末が、親が部屋にいるかを検知し、子側のスマートフォンで確認できます。

親側は、使い慣れたテレビを通じて、子ども家族とかんたんにテレビ電話を行えます。大画面で顔を見ながら会話できるため、まるで対面しているような感覚でコミュニケーションを取れます。

また、様子がおかしいなと思った場合、子側のスマートフォンから親の操作なしでテレビ電話をつなげることも可能です。

「ちかく」はシンプルなリモコン操作なので、スマートフォンやIT機器の操作が苦手な方にもぴったり。SIM内蔵のためWi-Fi設定やインターネット工事が不要で、すぐに利用できます。

「見守りサービスを利用してみたい」「親に受け入れてもらえるサービスを探している」「代理訪問サービスまでは必要ないので、代わりに費用を抑えたい」といった方におすすめです。

高齢者の家庭内事故は、転倒・窒息・入浴中の事故・着衣着火など、命にかかわるリスクが大きいため、適切な対策が必要です。

住環境を整え、段差を解消したり手すりを設置したりすることで、事故の発生を防げます。また、食事や入浴時の注意を心がけることも事故防止につながります。

しかし、どれだけ対策をしても家庭内事故は完全には防ぎきれません。そこで、見守りの仕組みを取り入れることも重要です。

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