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高齢の親の一人暮らしの限界は?判断基準と生活を支援するサービスを解説

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高齢の親の一人暮らしの限界は?判断基準と生活を支援するサービスを解説

「親の一人暮らしを助けてくれるサービスを知りたい」「一人暮らしが限界となるタイミングを知りたい」という方もいるかと思います。

一人暮らしの限界は「健康寿命」が目安とされますが、実際は健康状態や介護の必要度などにより、一人一人タイミングは異なります。

本記事では、一人暮らしが限界となる目安と具体的な兆候、一人暮らしを継続するために心がけたいこと、一人暮らしを助ける支援サービスを中心に解説します。また、見守りサービス「ちかく」も紹介しているので、参考にしてください。

目次
高齢者の一人暮らしの限界は「健康寿命」が目安となる

健康寿命という言葉をご存じでしょうか。

健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されない期間を指します。似たような言葉に平均寿命がありますが、平均寿命は死亡する平均年齢のことで、介護が必要な期間も含み、健康寿命と区別されます。

厚生労働省によると、令和4年における健康寿命と平均寿命は次のとおりです。

健康寿命(歳) 平均寿命(歳) 健康寿命と平均寿命の差(年)
男性 72.57 81.05 8.49
女性 75.45 87.09 11.63

出典:厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」

平均寿命と健康寿命の差の期間は、健康上の問題で日常生活に支障があり、介護などが必要となる期間です。そのため、自立して日常生活を送れる「健康寿命」は、一人暮らしができる目安となるでしょう。

ただし、この健康寿命は、あくまでも平均です。個々の健康状態などにより、一人暮らしの限界を迎えるタイミングは異なります。転倒による骨折など不測の事態もあるため、早めに今後について話し合うことが重要です。

健康寿命のほかにも、一人暮らしの限界の目安として知っておきたい兆候があります。

  • 転倒やケガが増えた
  • 物忘れや判断力の低下が目立つようになった
  • 基本的な日常生活が送れなくなった

これらの兆候がみられたら、一人暮らしの限界を迎えている可能性があります。それぞれ具体的に解説します。

転倒やケガが増えた

高齢になると足腰が弱まり、転倒やケガのリスクが高まります。予期せぬケガが原因で、一人暮らしが難しくなるケースも少なくありません。

厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、「転倒・骨折」は要介護状態となる原因の第3位であり、全体の13.9%を占めます。
転倒の増加や、歩行スピードの低下は一人暮らしが限界を迎えている兆候です。事故につながる前に対策を練るようにしましょう。

出典:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

物忘れや判断力の低下が目立つようになった

日本では、高齢化に伴い認知症と診断される方が増加しています。

先述の厚生労働省の調査によると、認知症は要介護状態となる原因の第1位であり、全体の16.6%を占めます。

認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)も含めると、3人に1人が認知機能に症状がある状態です。認知症は誰もがなり得る身近な病気といえるでしょう。

認知症になると次のような症状がみられます。

  • 電気やガスの消し忘れが増える
  • 同じ話を繰り返す
  • 金銭管理が難しくなる
  • 行き慣れた場所で迷子になる
  • ささいなことで怒る
  • 身だしなみを気にしなくなる

このような症状がみられるなかで、一人暮らしを継続すれば、徘徊(はいかい)による交通事故や火の不始末による火事で、命に危険がおよぶ可能性もあります。認知症が疑われる症状がみられたら、早めに医師による診断を受け、サポート体制を整えることが重要です。

基本的な日常生活が送れなくなった

高齢になると体力も減り、掃除や洗濯、料理などの基本的な日常生活が難しくなります。
食事を上手に食べられなかったり、排せつを失敗したりする場合も、一人暮らしの継続は厳しいでしょう。

自立した日常生活を送れないときは要支援・要介護状態に該当します。
要支援とは、日常生活上の基本的動作については、ほぼ自分で行うことが可能であるが、日常生活動作の介助や現在の状態の防止により要介護状態となることの予防に資するよう手段的日常生活動作について何らかの支援を要する状態を指します。

要介護とは、要支援からさらに手段的日常生活動作(買い物や家事、服薬管理など)を行う能力が低下し、部分的または全面的な介護が必要となった状態を指します。

要支援・要介護の状態になった場合には、適切な介護を受けながら生活をすることが望ましいです。

出典:厚生労働省「介護保険制度における要介護認定の仕組み」

高齢の親が一人暮らしを継続するために心がけたいこと

「年を重ねても、住み慣れた自宅にずっと住んでいたい」と思う方もいるでしょう。

長く一人暮らしを継続するには、運動や食事など日頃から心がけたいポイントがあります。ここでは、4つのポイントを解説します。

日常生活に無理のない運動を取り入れる

高齢になると、身体機能の低下により外出や運動が面倒になりがちです。しかし、筋力の維持・向上は転倒予防になります。そのためにも定期的な運動が欠かせません。

さらに、歩行などの日常生活における動きは、高齢者の寝たきりや死亡を減少させる効果があることも示されています。厚生労働省では、令和5年5月に、令和6年度から開始する国民健康づくり運動である「21 世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本 21(第三次))」に係る基本方針が公表されており、高齢者の場合は男女ともに6,000歩が目標値とされています。

激しい運動は必要ないため、散歩やお風呂上がりのストレッチなど、無理のない範囲で日常生活に取り入れるとよいでしょう。

出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

バランスの良い食事を心がける

健康でいるためには、栄養バランスを考えた食事をとることも大切です。

一人分の食事を作るのは気が進まないかもしれません。しかし、外食やコンビニ弁当は、塩分やカロリーを自分で調整できないため、塩分過多による高血圧や、低栄養による筋力低下・転倒などにつながるリスクがあります。

かんたんなメニューでもよいので、自炊して食事内容を管理してみましょう。ストレスにならないように、長く続けることが重要です。

コミュニケーションをとる

趣味のコミュニティーの集まりや、地域のボランティアには積極的に参加してみましょう。

人とのコミュニケーションや社会的なつながりは、日々の活力となり、生きがいにつながります。仲間と過ごすことで、一人暮らしの孤独感も和らぎ、生活に温かみや彩りが加わるでしょう。

また、認知症予防の観点からも社会的なつながりは重要です。

コミュニケーションが苦手な方も難しく考えず、まずは近所の人に声をかけたり、あいさつをしたりすることから始めてみましょう。

生活環境を整える

あんしんして一人暮らしをするためには生活環境を整えることも必要です。具体的には次のような方法があります。たとえば、段差をなくしたり、手すりを設置したりすることで転倒を防ぎやすくなります。他にもカーペットを滑りにくい素材にするのもよいでしょう。

また、横開きのドアにすることで万が一車椅子を使用するようになってもあんしんです。高齢でも過ごしやすい生活環境にすることでケガを予防し、日常生活の負担を軽減できます。

家具の角を柔らかい素材で包む、堅いものを床に置かないなど、万が一転倒した場合にケガをしないような工夫も重要です。

高齢の親の一人暮らしを支援するサービス

適度な運動や栄養バランスは一人暮らしを継続するために大切ですが、意識していても、サポートが必要となることもあります。

高齢者の一人暮らしを支援するために、民間企業や自治体から多様なサービスが提供されています。

  • 見守りサービス
  • 介護サービス
  • 食事の配達サービス
  • 自治体の支援サービス
  • サービス付き高齢者向け住宅

それぞれ詳しく解説します。各サービスの理解を深め、個々に適したサービスを活用してみてください。

見守りサービス

住まいを変えずに、離れて暮らす親の様子や安否を確認できるサービスとして「見守りサービス」があります。

玄関や家電製品などにセンサーを設置する、スタッフが定期的に自宅を訪問して様子を見る、緊急時に駆け付けてくれるなど、サポート内容や金額はサービスにより異なります。家庭の事情に合わせて選ぶとよいでしょう。

「ちかく」は、ドコモが提供する見守りサービスです。スマートフォンのアプリで親の在室状況や安否をかんたんに確認できるため、離れて暮らしていてもあんしんです。

あんしんモードも無料で付帯可能。設定した時間に起床が確認できないと通知が届きます。様子がおかしいと感じたときは、親の操作無しでテレビ電話をつなぎ、部屋の様子を確認することも可能です。

介護サービス

公的介護保険制度における介護サービスも、積極的に活用するとよいでしょう。

介護サービスには、スタッフが自宅を訪問してサポートを行う訪問看護や訪問介護、利用者が日帰りで施設に通ってサービスを受ける通所介護(デイサービス)などがあります。

いずれも利用するには要介護認定を受ける必要があり、判定された要介護度によって利用できるサービスが異なります。

なお、費用はサービス利用料の1割負担(一定以上の所得がある場合は2割あるいは3割)です。

食事の配達サービス

高齢になると買いものや料理が負担になり、食生活の乱れや栄養不足が懸念されます。

食事の配達サービスなら、栄養バランスを考えた食事を定期的に配達してくれるため、栄養不足の心配がありません。宅配スタッフと会うことで安否確認にもなります。

自治体の支援サービス

高齢者の一人暮らしを支援するために、独自のサービスを展開している自治体もあります。例として、見守りサービス「ちかく」の購入費用を一部助成している自治体を3つ紹介します。

兵庫県たつの市

超高齢化社会における社会問題解決のため、全国ではじめて「ちかく」の購入費用の助成に乗り出しました。「ちかく」を「ICT活用高齢者見守り支援事業」の指定機種と認め、3万円を限度に購入費用を補助しています。

なお、利用できるのは、市内に住所のある65歳以上のみで構成される世帯です。令和5年4月以降に購入した機器が対象で、終了時期は公表されていません。なお、購入後の申請が必要になる点には注意しましょう。

出典:株式会社チカク「全国初!“デジタル近居”サービス「ちかく」に兵庫県たつの市が購入費用3万円を補助」

出典:たつの市「ICTを使った高齢者の見守り機器購入費用の一部を助成します」

東京都立川市

「ちかく」を「立川市高齢者あんしん見守り支援事業」の対象としており、8,000円を限度に購入費用を助成しています。東京都での助成は立川市がはじめてになります。

対象は70歳以上の一人暮らしの方、70歳以上で構成される世帯で要支援・要介護認定を受けた方あるいはその介護者などです。こちらも終了時期の公表はありません。また、助成金を受け取るためには、申請を先におこなったうえで、案内に従って購入手続きを進めていく形となります。

出典:株式会社チカク「“デジタル近居”サービス「ちかく」に東京都立川市が購入費用を一部助成」

出典:立川市「高齢者あんしん見守り支援事業」

徳島県東みよし町

「ちかく」を「東みよし町繋がり実装化事業」の対象としており、1万6,500円を上限に、購入費用の半分(100円未満の端数は切捨て)を助成しています。

対象は「ちかく」を設置する住宅に居住している方、もしくはその2親等以内の親族で、令和7年12月末日までに購入後申請する必要があります。

出典:株式会社チカク「“デジタル近居”サービス「ちかく」に徳島県東みよし町が購入費用を一部補助」

出典:東みよし町「東みよし町繋がり実装化事業補助金」

いずれの自治体も、予算の関係で終了時期が変更となる可能性があります。検討する場合は、事前に自治体に確認するとあんしんです。

そのほか、居住している自治体に利用できるサービスがないかを調べてみるとよいでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅とは、安否確認と生活相談サービスが受けられる賃貸住宅のことで、「サ高住」とも呼ばれます。

高齢者に合わせたバリアフリーの環境で、見守りサービスを受けながら普段の生活を送れるのが特徴です。一般的に入居対象は次のとおりです。

  • 60歳以上の方
  • 60歳未満で要介護認定を受けている方
  • 高齢者+同居者(配偶者、60歳以上の親族、要介護・要支援認定を受けている親族等)

実際は、自立した生活の可否や感染症の有無など、施設により入居条件や費用が異なります。

クリニックやデイサービスが併設されている施設もあるため、ご自身の状況に合わせて施設を選ぶとよいでしょう。要介護度の高い方や認知症の方は、受け入れ可能かを事前に確認するとあんしんです。

高齢の親の一人暮らしが限界を迎えたときの対処法

見守りサービスなどを利用してもトラブルが続いてしまう場合は、一人暮らしの限界かもしれません。同居や施設入居を視野に入れる必要があります。それぞれの特徴を確認しておきましょう。

家族との同居を検討する

一人暮らしが限界を迎えた場合、家族との同居は有効な手段です。親の体調不良やわずかな変化にすぐ気づけるため、緊急時に対応しやすいメリットがあります。家事の分担や、場合によっては生活費を折半することもできるでしょう。

一方で、見守りや介護を目的とした同居は本人にも家族にもストレスとなる可能性があります。同居により利用できなくなる介護サービスもあるため、慎重な判断が必要です。

出典:厚生労働省「同居家族等がいる場合における訪問介護サービス等の生活援助の取扱いについて」

施設入居を検討する

家族との同居が難しい場合は、施設入居を検討しましょう。スタッフや利用者と過ごすため、体調変化に気づいてもらいやすくなり、孤独感も和らぐでしょう。

なお、施設には種類があり、認知症がある場合はグループホームや介護付き有料老人ホーム、歩行が難しい場合は介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームなど、適している施設は異なります。

入居条件やサービス内容、費用も施設ごとに異なるため、親の希望や健康状態を確認の上、比較検討することが重要です。

まとめ: 高齢の親の一人暮らしは限界を見極めながら、上手に支援サービスを活用しよう

一人暮らしの限界は「健康寿命」が一つの目安とされますが、身体状態や精神状態によって限界を迎えるタイミングは異なります。

転倒や物忘れによるトラブルが増えたり、日常生活が送れなくなったりしたら、限界の兆候かもしれません。大きな事故につながる前に、早めの対策を講じましょう。

「ちかく」は、離れて暮らす親子に、心がつながるあんしん感を与えてくれる見守りサービスです。一緒に住んでいなくても、スマートフォンから親の安否確認ができます。また、テレビ電話でいつでも会話ができるため、親の孤独や不安の解消につながります。

親の一人暮らしに不安のある方は、ぜひご検討ください。

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