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コラム

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基礎体温とは?測る目的や正しい測り方を徹底解説

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基礎体温とは?測る目的や正しい測り方を徹底解説
監修者
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馬場 敦志

宮の沢スマイルレディースクリニック院長
産婦人科専門医

筑波大学医学専門学類卒業 / 現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務 / 専門は産婦人科

基礎体温は、女性の健康を知るための重要な指標です。妊活中の方はもちろん、生理周期やホルモンバランスを把握することで、日々の体調管理や美容・ダイエットにも活用できます。

本記事では、基礎体温の基本的な仕組みや測り方、乱れる原因について詳しく解説します。ぜひ健康管理に役立ててください。

目次
基礎体温とは?

基礎体温とは、安静な状態で測る体温を指します。朝目覚めてから活動する前に測るのが一般的です。

女性の体はホルモンバランスの変化によって基礎体温が変動します。そのため、基礎体温を記録することで自分の体のリズムを把握できます。

基礎体温の周期グラフ

基礎体温は、低温期と高温期の二相に分かれ、一定のサイクルで繰り返されます。このサイクルは、女性のホルモンバランスと密接に関係しています。

特徴
月経期
  • 生理がはじまる時期(約5~7日間)
  • 基礎体温が低い時期
卵胞期
  • 生理が終わり、次の排卵に向けて準備する期間(約7~10日間)
  • ホルモンバランスが整う
排卵期
  • 体温が急上昇するタイミング(排卵が起こる)
  • 妊娠しやすい時期
黄体期
  • 排卵後、基礎体温が高温を維持する時期(約12~14日間)
  • PMS(月経前症候群)が起こりやすくなる
基礎体温を測る目的

基礎体温を測ることは、妊活だけでなく、女性の健康管理全般に役立ちます。

生理周期の把握

基礎体温を測ることで、自分の生理周期を把握しやすくなります。たとえば、生理周期が28日の場合、生理がはじまると基礎体温が下がり、その後、排卵までの約2週間は低温期が続きます。

排卵後はプロゲステロン(黄体ホルモン)の働きで基礎体温が上がり、高温期に入ります。この高温期は約2週間続き、次の生理がはじまると再び体温が下がります。

基礎体温を記録することで、自分の生理周期をより正確に理解できるようになります。

心身のリズムの把握

女性の体調や気分は、主にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロンの影響を受けます。これらのホルモンは生理周期に合わせて分泌量が変動し、身体的・精神的な変化をもたらします。

たとえば、エストロゲンが優位となる卵胞期には、心身が安定しやすい傾向があります。一方で、プロゲステロンが増加する黄体期には、気分が不安定になるケースも多いです。基礎体温を測ると、心身のリズムを把握しやすくなります。

美容やダイエットに最適な時期の判断

基礎体温を測ることで、美容やダイエットに適したタイミングを把握できます。

たとえば、生理後から排卵前の卵胞期は、肌の調子が良く、新しい化粧品を試すのに適しています。メイクのノリも良く、スキンケアの効果を実感しやすいでしょう。一方、排卵期は皮脂分泌が活発になり、脂性肌の人は吹き出物ができやすくなります。

ダイエットの観点では、生理後の2週間はエストロゲンの分泌が増え、新陳代謝が活発になります。脂肪が燃焼しやすく、運動や食事管理の効果が出やすい時期です。反対に、生理前の1週間から生理中はホルモンの影響で水分を溜め込みやすく、代謝が低下しがちになります。

自分の体のリズムを知ることで、美容やダイエットをより効率的に進められます。

体調の管理

基礎体温の計測は、ホルモンバランスの乱れや婦人科系のトラブルを早めに察知するのにも役立ちます。

高温期の基礎体温が低かったり、期間が短かったりする場合は、卵巣機能が低下している可能性があります。また、低温期から体温に変化がないまま生理が来た場合は、無排卵月経の可能性があるため、注意が必要です。

さらに、基礎体温を記録することで、PMS(月経前症候群)の症状を把握しやすくなります。頭痛やむくみ、イライラなどが出やすい時期を事前に把握することで、食事や運動、休息を意識して取り入れられます。

排卵日の予測

基礎体温の変化を記録することで、排卵のタイミングを把握しやすくなります。妊娠を希望する場合や避妊を考える際の参考にもなり、自分の体のリズムを理解する助けになるでしょう。

排卵が起こると、プロゲステロンの働きで体温が上昇し、低温期から高温期へと移行します。基礎体温が上がったことを確認できれば、排卵が起こったと判断できます。

しかし、体温の変化がはっきりしない、または低温期が続いて高温期が見られない場合は、排卵が起こっていない可能性があります。気になる場合は婦人科を受診しましょう。

妊娠可能期の把握

基礎体温の変化を知ることで、妊娠しやすい時期を把握できます。一般的に、排卵日の4~5日前から当日の間が最も妊娠しやすいとされています。

基礎体温を測ることで排卵日を特定しやすくなり、妊娠の可能性が高い期間をより正確に予測できるようになります。

妊娠の早期発見

基礎体温の計測は妊娠の早期発見にもつながります。

通常、排卵後は基礎体温が上昇し高温期に入ります。妊娠していない場合は約2週間後に体温が下がり、生理がはじまります。しかし、妊娠が成立するとプロゲステロンの分泌が続くため、高温期が持続します。

そのため、基礎体温を記録していると、妊娠検査薬を使う前に「もしかして?」と気づくきっかけになるケースがあります。

ただし、基礎体温だけで妊娠を確定することはできません。正確な判断には医師の診断が必要です。

更年期の体調管理

基礎体温の計測は、更年期の体調管理にも役立ちます。

更年期に差しかかると排卵の頻度が乱れ、生理周期にも変化が現れます。閉経を迎えると、低温期と高温期の二相に分かれる基礎体温のパターンがなくなります。

また、通常時の体温が低下し、冷えを感じやすくなる人もいるため、基礎体温を測ることで体調の変化に気づきやすくなります。

基礎体温の正しい測り方

基礎体温を正しく測るには、いくつかのポイントがあります。ここからは測り方を解説します。

基礎体温用の婦人体温計を使う

基礎体温を測る際は、専用の婦人体温計を使用します。婦人体温計は舌の下で測定するタイプが一般的で、0.01℃まで細かく測れるため、わずかな体温変化も正確に記録できます。

婦人体温計の計測方式には「実測式」と「予測式」の2種類があります。実測式は、体温計のセンサーが測定した温度をそのまま表示するため、より正確な体温を知ることができます。

一方、予測式は5分後の体温を予測して表示するため、短時間で手軽に計測できるのが特徴です。自分のライフスタイルに合ったタイプを選びましょう。

朝起きてすぐに測る

基礎体温は、体を動かすとすぐに上昇するため、正確に測るには朝目覚めた直後、できるだけ動かない状態で測定することが大切です。

起き上がったり、トイレに行ったりしたあとに測ると体温が上がってしまい、正確な数値が得られないことがあるため注意しましょう。

朝起きてすぐに測る

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「わたしの温度®」は体温計(医療機器)ではなく、疾病の診断、治療又は予防に使用されることを目的とするものではありません。衣服内温度データを利用して自己の健康管理をサポートするヘルスケアIoTサービスです。

基礎体温が乱れる主な原因

基礎体温を測り、グラフに記録すると乱れているケースがあります。ここからは主な原因を解説します。

低温期が続く:無排卵の可能性

基礎体温が低温のまま長く続く、または高温に変化しない場合、排卵が起こっていない可能性があります。

無排卵月経の疑いがあるため、婦人科を受診することをおすすめします。

高温期が続く:妊娠の可能性

排卵後の高温期が2週間以上続く場合、妊娠している可能性があります。これは、妊娠が成立するとプロゲステロンの分泌が続き、体温が下がらない状態が維持されるためです。

必要に応じて妊娠検査薬を使用するなど、早めに確認するとよいでしょう。

高温期が短いまたは一時的に下がる:黄体機能不全の可能性

高温期に一時的に基礎体温が下がる場合、卵巣の働きの低下による、黄体機能不全の可能性があります。

黄体機能不全を放置すると、不妊症や反復流産、習慣性流産のリスクが高まるため注意が必要です。

基礎体温のグラフがM字のように変動するのが特徴で、ホルモンバランスの乱れが影響している可能性があります。

低温期が短い:早発卵巣不全の可能性

加齢に伴い、排卵までの期間が極端に短くなることがありますが、年齢が若い場合は「早発卵巣不全」が疑われるケースもあります。早発卵巣不全は、40歳未満で生理が止まる病気で、卵巣機能不全の一種です。

早発卵巣不全によって、そのまま閉経するケースもあれば、まれに排卵が起こっているケースもあります。

早発卵巣不全の不妊治療は、ホルモン治療や排卵誘発をおこなっても、妊娠成立が難しいことも多いです。一方で、月経に関するホルモン分泌は低下しているものの、排卵機能はわずかに保たれているという場合では、ごくまれに早発卵巣不全でも自然妊娠することがあります。

更年期

更年期に入ると、女性ホルモンの分泌が不安定になり、基礎体温の変動が大きくなります。排卵が起こらなくなることで高温期が見られなくなったり、生理周期が不規則になったりするのが特徴です。

また、ホルモンバランスの乱れによって自律神経が影響を受け、のぼせや冷えなどの症状が現れることもあります。

さらに、閉経が近づくと高温期を作るプロゲステロンの分泌が減少し、低温期と高温期の差が曖昧になっていきます。閉経後は基礎体温が一定になり、二相に分かれなくなるのが特徴です。

基礎体温と生理の記録を続けることで、こうした体の変化を把握しやすくなり、閉経の時期を予測する目安にもなります。

※「わたしの温度」は TOPPAN ホールディングス株式会社の登録商標です。

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